作品解説
企画意図
仏を彫るとは何か?罪を犯した仏師は、その罪悪感に悩み苦しみながらも、再び仏を彫りあげることができるのか。
本作は、ある出来事をきっかけに仏を彫ることができなくなってしまった仏師が、再び仏を彫れるようになるこころの回復(=レジリエンス)に真摯に向き合い、それでも、なお⼈は⽣きていく、⽣きていかなければならぬ、ということを優しい眼差しで描く、魂の救済をテーマとした映画です。オリジナルストーリーで岐阜県 飛騨市 高山市、奈良県でも撮影を予定しています。
あらすじ
⾃然豊かな⾶騨の集落に移住してきた若い夫婦、仏師の直哉とその妻・陽真理。
新たな⼟地で慎ましい⽣活を始める⼆⼈だが、直哉はなぜか本業である仏像が彫れずにいた。⼀⽅の陽真理にも胸に秘めたわだかまりがあり、その仲はどこかぎこちない。
初めは⽤⼼深く様⼦を伺っていた集落の住⼈も、夫婦が隣⼈の吾郎やその孫娘・希々夏(ののか)と仲を深めるにつれ、少しずつ⼆⼈を受け⼊れるようになる。だが直哉は、集落のお堂にある焼けた観⾳像を巡って、吾郎と集落の住⼈の間にも不穏な空気が流れていることを知る。
少しずつ明らかになる、⼈々が抱えた罪や後悔の思い。そして焼けた観⾳像にまつわる悲しい記憶。
やがて、希々夏(ののか)を巡り、同じ過ちが起ころうとしていた-。